体調不良の原因は「ふくらはぎ」にあった!?
ふくらはぎは第2の心臓ともいわれるほど、全身のさまざまな器官との関わりがある箇所です。
心臓から遠い足の血流を循環させるのは心臓の力だけではできません。そこで、ふくらはぎの筋肉が、足の静脈血を重力に逆らって心臓に押し上げる役割を担っています(筋肉ポンプと言う)。
運動などで筋肉を使ったわけではないのに足にだるさ・重さを感じる場合、疲労の蓄積が考えられます。
ふくらはぎの筋肉がこわばって硬くなっている状態です。
立ち仕事などで疲労がたまり、筋肉が硬くこわばってくると、筋肉ポンプが十分に働かないため血流循環が悪くなり、老廃物が蓄積して足にだるさを感じるようになります。
足がつるというのは、自分の意思とは関係なく筋肉が突然収縮して、けいれんを起こす状態を指します。ふくらはぎは、特につることが多い場所です。
こむら返りの主な原因は疲労です。
たくさん汗をかいたり、筋肉を使った日は少し注意が必要です。
汗とともに筋肉の動きを調整するミネラルが排出され、筋肉疲労が起こりやすくなります。
また、足元から冷えも要注意です。ふくらはぎが冷えて筋肉が凝り固まってしまうと、血流が滞り血行不良を引き起こしやすくなります。
快眠の妨げとなり、睡眠不足につながるのが夜間頻尿です。
その大きな原因の一つが、日中に摂取した水分がふくらはぎの部分にたまってしまうためだとわかってきました。
私たちの体は体内の水分を一定に保つため、食事や飲み物などの水分をおしっこに変えて排出します。
ところが、加齢などで血液を循環させる機能が低下すると、足の血管から水分が漏れ、ふくらはぎの部分にたまってしまうのです。
そのため、夜、横になったときに水分が再び血管に戻り、増えた血液を減らそうと、おしっこが作られてしまうと考えられます。
ふくらはぎは“第二のぼうこう”だったのです。
2020年4月に発表された「夜間頻尿ガイドライン」では、副作用の少ない治療法として「行動療法」が第一選択肢として推奨されています。
次から、ふくらはぎの疲労対策を紹介します。
日中に弾性ストッキングを着けていると、日中はふくらはぎが常に締めつけられた状態となり、それが、足のむくみの予防につながります。
弾性ストッキングの選び方は、薬局などで市販されているむくみ対策用のものを選びます。
ストッキングタイプのものもありますが、夜間頻尿対策には、締め付ける面積が少ないハイソックスタイプが履きやすくておすすめです。
着用時間は朝起きてから夕方までが目安。
※糖尿病や心臓に持病がある方などは使用に当たって注意が必要です。まずはかかりつけ医や泌尿器科などに相談してからご使用ください。
足の下に柔らかいものを敷き、足先が10〜15cm程度上がるようにして横になります。
昼から夕方までの間に、30分を目安に行います。
こうすることでふくらはぎにたまった水分が血管に戻り、日中におしっこになります。
※睡眠のリズムが乱れないように、足上げ中は眠らないように注意します。
※効果をはっきりと確認するためには、1ヶ月以上続けることが大切です。
味の濃い、塩分の高い食べ物を摂りすぎるとむくみの原因となります。
塩分には水分を抱え込む性質があり、余分な水分をうまく排出できなくなり体の中に溜まってしまいます。
また、塩分が入ると血圧が上がりやすくなり、ふくらはぎに水分がたまりやすくなります。
特に晩酌はあまりよくありません。
アルコールは利尿作用があり、また、つまみは塩辛いものが多いので夕方以降の塩分摂取にご注意ください。
ふくらはぎの筋肉の柔らかくする効果的なエクササイズ法で、ふくらはぎが疲れやすい人にお勧めなのが「階段を使ったストレッチ」です。
手すりのついた階段や玄関の段差などを利用しても結構です。
@足の前半分程を段差に乗せます。
Aそこからかかとをゆっくりと下げていきます。
Bさらに今度はゆっくりかかとを上げていきます。
Cこの運動を毎日10回程度行うと効果的です。
転んだりすると危険ですので、必ず、手すりや壁などで身体を支えて行って下さい。特に、体力に自信のない方や高齢の方は、絶対にムリをせず、段差の低い場所で行うなどしてください。
ふくらはぎに溜まった余分な水分や血液を心臓に戻すようにしましょう。
もむのではなく、なでるようにしてリンパ液の流れを改善します。
また、ふくらはぎにある腓腹筋やヒラメ筋をストレッチでほぐすことで、血流の流れを良くし、血行を促進します。