疲れの原因は自律神経にあった!?
疲労というと、体の疲れと思いがちですが、実はそうではありません。
家事をして体を使った疲労も、スマホによる眼精疲労も、イライラやストレスによる心的疲労も、すべての疲れの原因は脳にある「自律神経」の疲れが原因なのです。
掃除をして体が疲れたと感じても、その程度の運動では筋肉や内臓はほとんど疲れていないということが研究でわかっています。
体が疲れたと感じているのは錯覚にすぎず、脳が疲れると人は疲労を感じるのです。
例えば、同じ距離を歩くのでも、夏と春では疲労感に大きな差があります。夏は体温や心拍を調整する自律神経がフル稼働するため疲労感も強いのです。
運動すると多くの酸素を必要とするため、自律神経は呼吸や心拍、血圧を高めます。
しかし、高めすぎると心臓発作や脳卒中を起こしてしまうため、常に需給バランスをとって調整しているのです。
つまり、体調を整える仕事をしているのが、脳にある自律神経です。
呼吸器、消化器、循環器など、私たちの生命活動のほとんどに自律神経が関わっています。自律神経は、全身の調整を一気に引き受ける司令塔のようなものです。
自律神経が疲れると、眼窩前頭野という場所にシグナルを送り、これ以上運動させないように、体が疲れていると勘違いさせ、疲労感で命を守ろうとします。
あまり知られていませんが、自律神経は老化が激しいのです。
自律神経機能は、20代から年々低下し、50代には20代の約3分の1になってしまいます。
さらに、一度老化してしまった自律神経はほぼ復活できません。
自律神経が働く過程で活性酸素が発生して、細胞が酸化し、錆びて老化します。これにより、自律神経の機能が鈍り、復活できなくなります。
だからこそ、きちんと睡眠をとって、自律神経を無駄に疲れさせないように、生活習慣を改めることが大事です。
食事や運動はもちろん、人付き合いなどにおいても、ちょっと気を付けるだけで、自律神経が疲弊するのを防ぐことができます。